日本建築でよく使われてきた「ささらご竿下見張り」
ささらご竿下見張りって何?
今回10年くらい前に弊社で新築をしたお家のインナーバルコニーにサッシを付ける工事の中で「ささらご竿下見張り」を取り付けたので紹介します。
ささら・・・・それ何?って方多いと思いますが、よく言われている言い方は「鎧張り」です。
こんな感じの外壁です。
杉板を横に重ねて張ってあるので、板の厚み部分が下から見えることから「下見張り」というそうです。
その板を抑えているのが、縦に取り付けてある「ささらご竿」です。
お城やお寺ら等にもよく使われてきた日本人には馴染みのあった工法ですが、今ではあまり見かけません。伊勢神宮の内宮さんの参道に在る「おはらい町」で見る事が出来ますので、行く機会がありましたら見て下さい。
この木製の板(無垢材)を外壁材として使用すると、湿気の多いときは木の膨張により木と木の隙間がなくなることで雨の侵入を防いでくれると言われています。
乾燥時には逆に隙間が空いてしまうので、断熱材の無かった昔の家の冬は寒かったかもしれませんね。
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ささらご竿下見張りの組立と取付
先ずは、板の幅をの寸法を決めて、ささらご竿を加工します。
こんな感じになりました。
ささらごの加工は杉板が自然に反るように、少しアールにしています。
次に組立です。
ささらご竿に裏から杉板を貼り付けていきます。
そして
表側にして、組立完了です。
これを取り付けます。
杉板がとても美しいですね。
これぞ無垢材の良さです。
いかがでしたか?
外壁に使うと木の変色が気になりますが、年月を長くすればするほど色褪せることなく趣が出てくるのも無垢材の良さです。
サッシの取付工事と屋内の工事
この工事のメインは、サッシを取り付ける工事です。
サッシを取り付けていきます。
2階に手摺のついているところがインナーバルコニーです。
ここにサッシを取り付けます。
(この映像は10年前の新築の時のものです。)
サッシを取り付けただけで、雰囲気が変わるものですね。
お施主様も壁がつながった感じがして、重厚感がでたと喜んで頂きました。
もっと近くで見た写真が
こんな感じになりました。
下見張りは、ささらご竿からビスで取り付けています。
このビスの頭を隠すために銅製の太鼓鋲を打ちました。
少し見づらいですが・・・
太鼓鋲?
このような形をしています。
直径19㎜のお椀形をしています。
新しく壁となったところは、新築時と同じ
檜の相しゃくり板を横に張りました。
この棚の框や板も檜で造作しました。
お施主様にもとても丁寧な仕事をしてもらったと喜んで頂きました。
ご拝読ありがとうございました。
伝承された匠が造る家「和心家(わごこち)」の紹介」
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