三重県津市・松阪市注文住宅/シニア層向けの平屋を考える
ノスタルジック平屋
皆さんは平屋のお家を見て懐かしさを感じたことはないでしょうか。それはただ単に昔を思い起こすだけのレトロと言うよりは、懐かしさをも感じさせるノスタルジアのような気がします。平屋は人が潜在的に持っている住み家、いわゆる家の原型だからかもしれません。
ここでは、シニア層にはどの様な平屋が良いのかを考えて行きたいと思います。
シニア層の暮らしを考える
家を考える時、大きく二つに分けることができると思います。それは、子育て世代の家そして子育てが終わり夫婦で暮らす家です。この二つの暮らしには何が違うのか、その事で暮らす家はどう違ってくるのでしょう。
1.家族構成
一番わかりやすいのは、家族の人数でしょう。子育て世代では4、5人の家族構成が多いと思いますが、シニア層は2人暮らしと考えると、部屋数は少なくて済むでしょうし、家族が集まるリビング、ダイニングも小さくて良いのではないかと思います。
2.年齢の違い
これも当たり前の話ですが、年齢の差により運動量や瞬発力などに差があることに配慮し家づくりを考えなければなりません。バリアフリーはもとより、動線の長さや収納の高さ、建具、車いすへの考慮などです。
シニア層が持つ暮らしのイメージ
シニア層の方が、どんな意識を持って今の暮らし(セカンドライフ)を過ごしているのか、また将来をイメージしているのかをある調査を参考に考えて行きたいと思います。
この調査は他の団体で行っており弊社で行ったものではありません。調査対象は年齢50代~70代の男女です。
1.何が暮らしの満足度を決めているのか
1.健康
2.家庭の状態
3.経済的余裕
やはり健康をと考える人が多いようです。年代別で見ると50代は、1位と2位の差が少なく、60代の男女で家庭の状態に関し意識の差が出ています。男性はほとんど関心が無く、女性は男性の2倍以上の関心ありました。1位健康については、60代70代と年齢を追うごとに高くなっている傾向がうかがえます。
2.生活スタイルイメージ
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
自由な | 自由な | 自由な |
2 | 幸福な | のんびりしたい | のんびりしたい |
3 | 平凡な | 幸福な | 平凡な |
各年代1位が自由となっています。また年代を追うごとにその傾向は強いよです。自分の時間も大切にしたいと言う現れかもしれません。
3.生きる張り合いを感じる時
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
家族と過ごしている時 | 家族と過ごしている時 | 趣味に熱中している時 |
2 | 趣味に熱中している時 | 趣味に熱中している時 | 家族と過ごしている時 |
3 | 仕事に熱中している時 | 仕事に熱中している時 | 1人気ままに過ごしている時 |
50代、60代では、同じ結果がでました。70代は、仕事を持つ方が少ないことまた、より自分の時間を大事にする傾向があるようです。
4.自分の誇れるものは何か
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
配偶者 | 配偶者 | 配偶者 |
2 | 子ども | 子ども | 子ども |
3 | 健康・体力 | 健康・体力 | 健康・体力 |
それぞれの世代で同じ結果となりました。家族を大切にしている事がうかがえます。
5.居心地の良い場所
50代男性 | 50代女性 | 60代男性 | 60代女性 | 70代 | |
1 |
家庭 | 家庭 | 家庭 | 家庭 | 家庭 |
2 | 職場 | 1人でいられる場所 | 趣味・サークル活動の場 | 友人の集まり | 友人の集まり |
3 | 趣味・サークル活動の場 | 友人の集まり | 友人の集まり | 1人でいられる場所 | 1人でいられる場所 |
50代、60代の男女の差が面白かったので分けてみました。どの世代も家庭が一番で、家族を愛する気持ちがあらわれているような気がします。その中で、特に女性には自分の時間が欲しいと言う傾向があるようです。
6.暮らしの楽しみ方
50代男性 | 50代女性 | 60代男性 | 60代女性 | 70代 | |
1 |
テレビ・ラジオ | テレビ・ラジオ | テレビ・ラジオ | テレビ・ラジオ | テレビ・ラジオ |
2 | 国内旅行 | 友達付き合い | 国内旅行 | 友達付き合い | 国内旅行 |
3 | 家族のだんらん | 国内旅行 | 家族のだんらん | 国内旅行 | 友達付き合い |
1位はテレビ・ラジオとなりました。どの世代もテレビ・ラジオ世代であることが要因ではないかと考えられます。2位、3位は男性と女性で別れたようです。
7.これから打ち込みたい活動
50代男性 | 50代女性 | 60代男性 | 60代女性 | 70代 | |
1 |
趣味や旅行 | 趣味や旅行 | 趣味や旅行 | 趣味や旅行 | 健康な身体つくり |
2 | 健康な身体つくり | 健康な身体つくり | 健康な身体つくり | 健康な身体つくり | 趣味や旅行 |
3 | やりがいのある仕事 | 自立した生活能力 | 自立した生活能力 | 自立した生活能力 |
親や子供と助け合える関係つくり |
どの世代を見ていも健康でセカンドライフを楽しみたいと言うことがあらわれているように思われます。そのためにもお互いに自立をした関係が良いという考えでしょう。
8.健康維持のためにしている事
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
食事に気を付けいている | 食事に気を付けている | 食事に気を付けいている |
2 | 睡眠を十分にとる | 睡眠を十分にとる | 睡眠を十分にとる |
3 | 無理をしない | 健康診断を受ける | 無理をしない |
各世代とも同じような結果となりました。日常で無理をせず長く続けられることが上位にきたような気がします。
9.希望する介護方法
男性 | 女性 | ||
1 | 自宅で家事援助や介護を利用して家族に介護 | 55.1% | 43.6% |
2 | 高齢者向け施設に入所したい | 21.2% | 26.2% |
3 | 自宅で家族だけで介護されたい | 13.2% | 12.4% |
1位と3位の自宅介護を希望する方が男性、女性共過半数を超えています。もちろん希望であるのでしょうが、施設入所が困難であると言う意識もあるのかもしれません。
10.成人した子供との親子関係
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
干渉しあわないのが良い | 日常の家事や育児・介護など必要な時だけ助け合う | 日常の家事や育児・介護など必要な時だけ助け合う |
2 | 日常の家事や育児・介護など必要な時だけ助け合う | 干渉しあわないのが良い | 干渉しあわないのが良い |
3 | 友達のように付き合うのが良い | 日常の家事や育児・介護など日頃から助け合う | 友達のように付き合うのが良い |
それぞれの生計や家を持ち、近くもないが遠くでもない、普段の行き来は少ないが、いざとなったらお互いに頼れる関係を望ましく思っているようです。
11.10年後に一緒に住みたい人
50代 | 60代 | 70代 | |
1 |
配偶者 | 配偶者 | 配偶者 |
2 | 息子の家族 | 息子の家族 | 息子の家族 |
3 | 娘の家族 | 娘の家族 | 娘の家族 |
トップの配偶者は全体でほぼ8割をしめ、以下全世代が同じ結果でした。年代があがるにつれ割合は下がり、息子の家族が少し多い傾向です。ここでも基本はそれそれ家族が独立しているイメージと思われます。
12.10年後はどこで暮らしたいか
50代 | 60代 | 70代 | ||
1 | 現在住んでいる地域 | 35.6% | 35.3% | 44.4% |
2 | 子どもや孫などの近くで行き来がし易い地域 | 18.3% | 27.5% | 24.7% |
3 | 自然環境の良い地域 | 11.6% | 6.6% | 2.7% |
4 | 友人との交流、趣味社会活動などがし易い地域 | 12.0% | 8.1% | 4.6% |
5 |
自分の生まれ育った地域 | 5.3% | 4.7% | 6.2% |
6 | 医療や介護が充実している地域 | 6.2% | 9.4% | 11.6% |
7 | 交通・買い物の便が良い地域 | 8.5% | 7.2% | 4.6% |
慣れ親しんだ場所が良いと言う傾向があると思われます。年代が上がるほど健康や介護を考える傾向があるように感じました。
13.暮らしのイメージまとめ
この調査結果での浮かんでくるキーワードがどんな設問のに関連するのか私なりにまとめてみます。
キーワードは、「家族のつながり」「健康」「自由(自分の時間)」「地域、友人とのつながり」の4つです。
家族のつながり | 健康 | 自由(自分の時間) | 地域、友人とのつながり | |
1 |
何が暮らしの満足度を決めているか | 何が暮らしの満足度を決めているか | 生活スタイルイメージ | 生きる張り合いを感じている時 |
2 | 生きる張り合いを感じる時 | 自分の誇れるものは何か | 生きる張り合いを感じる時 | 居心地の良い場所 |
3 | 自分の誇れるものは何か | これから打ち込みたい活動 | 居心地の良い場所 | 暮らしの楽しみ方 |
4 | 居心地の良い場所 | 健康のためにしている事 | 暮らしの楽しみ方 | これから打ち込みたい活動 |
5 | 暮らしの楽しみかた | 10年後はどこで住みたいか | これから打ち込みたい活動 | 希望する介護方法 |
6 | これから打ち込みたい活動 | 成人した子供との親子関係 | 10年後はどこで住みたいか | |
7 | 希望する介護方法 | |||
8 | 10年後に一緒に住みたい人 | |||
9 | 10年後はどこで住みたいか |
「家族のつながり」・・・9設問
「健康」 ・・・5設問
「自由」 ・・・6設問
「地域・友人」 ・・・6設問
各設問に対する回答で一番多かったのは「家族のつながり」というキーワードでした。如何に家族を大事に思い、頼りにしている表れではないでしょうか。
シニア層の暮らしのプランニングを考える
いよいよシニア層にはどんな家が良いのかを具体的に平面プランで考えていきたいと思います。もちろん平面プランには、個々の考え方や好みがあるのでここでお見せする平面プランがベストという訳ではありません。今までの事を踏まえた平面プランが皆様のお役に立てれば幸いです。
家族のつながりを考える
普段家族のつながりを感じられるのは、リビングやダイニングではないでょうか。LDKを一体の空間とすることでご夫婦別の行動や作業をしていても、同じ空間にいる事を感じられます。また子供家族の訪問にも狭さを感じないようにLDKは少し広めにしました。寝室、水廻りもLDKを介しての動線とすることで、お互いの存在を確認し合えます。
健康を考える
健康を考える時、食事に気を付けることはよく言われますが、実は環境(家)も健康に大きな影響を与えていると言われています。ここ近年、断熱性機密性を高めて安定した室温で暮らすことが良いとされています。そして住環境では空気が重要になります。量の多さで言えば飲食に比べられないくらい空気を体に取り入れているからです。空気清浄機を使っても良いのですが、自然素材を内装材に等に使うと空気の浄化や木の香りにより癒し効果もあると言われています。睡眠についても、寝室の床壁天井に無垢材を50%程度使用すると睡眠効果が高まり、自然素材は健康に良いとされています。またリビングで言えば、天井を高くすると、やる気がでるとされいてアクティブな環境つくりが出来できます。
また階段が無いことからバリヤフリーがやりやすいのが平屋です。動線も単純で短くする工夫ができストレスなく暮らして頂けるのではないでしょうか。そして玄関・ホール・シューズクローク・廊下・洗面脱衣室・便所の供用部分は、車椅子や在宅介護を念頭に置き少し広く大きくしてみました。
関連記事:「子育てにも良いとされる自然素材の家について考える」三重県で自然素材を使った家を建てたいとお考えの方へ
自由(自分の時間)を考える
家族のつながりを大事にしながらも、自分の時間も大切のしたいという思いは世代が上がるほど強くなるようです。そのことを踏まえこの平面プランでは、寝室を大きな空間とし可動の家具などにより間仕切ることでプライバシーを保ちつつお互いの気配を感じとれ、壁で仕切らず可変性を持たせつことでその家族の変わりゆく状況に応じた寝室になるよう考えました。
地域、友人とのつながりを考える
LDKを少し大きくすることで、地域の知り合いや友人たちとの集まりの場としていも使えるようにしてみました。ダイニングテーブルも二人用でなく四人が充分な大きさを想定してあります。またデッキを設けることで外でもLDKと一体に使えばより広いスペースとなります。
関連記事
三重県津市・松阪市注文住宅/平屋住宅のことをもっと知りましょう!
三重県津市・松阪市注文住宅/平屋住宅の間取りの特徴を平面プランで紹介
三重県津市・松阪市注文住宅/平屋住宅は本当に割高なのか!を考える
三重県津市/松阪市 夫婦のコミュニケーションから寝室を考える
※2020/6/7付けでプランニング図を変更しました。これに伴い一部文章も変更しています。
会社名 :株式会社アトリエLiving Craft
住所 :〒514-1122 三重県津市川方町501-2
代表 :代表取締役 扇野 正実
ホームページ :https://atelier-lc.net/
営業時間 :8:00~19:00(日曜定休)
************************