近くにある神社の祠の改修工事
土台と柱が腐ってしまって・・・
神社の社の傍らにある祠の改修工事を自治会より依頼を受けました。この神社は自治会が管理していて、16年前に参拝者が雨に濡れないようにと神社の社の庇取付を8年前には、鳥居の取替工事を施工させて頂きました。実はこの神社の社とその傍らにある祠は、私の父が造ったものなのです。今回はその祠の土台と柱が腐ってしまい、土台と柱と壁の化粧板の取替を行いました。
折角改修するのなら
見積の段階では既存と同じように改修工事をするつもりでした。でも祠のことを少し調べてみると、より祠らしく(?)改修してみようかなと思い始めました。祠らしいってどんなの?って思う方もいると思いますので、実際のbefore、afterを見てもらいましょう。
向きが逆で画像が小さいので少しわかりずらいかもしれませんが、壁の化粧板が以前は縦に釘で打ち付けて張ってありました。今回は柱に溝をついて横張にしました。また板のそりが大きくならないように四つ角の柱の真ん中に新たに柱を追加しました。そしてもう一つ違うのが以前のものは土台を四隅でカットしありましたが、土台の四隅を少し伸ばしました。
格子の扉とその上の化粧鴨居は既存のものを磨いてそのまま使用しました。
また、土台の腐れ防止対策として住宅でもよく使われる基礎パッキンを施し、基礎のコンクリートに直接土台が触れないようにしました。このことで風通しが良くなることも腐れ防止となるはずです。
化粧壁の加工
壁につかう化粧板は見積もり段階では、既製品を使用する予定でしたので横張に変更したときも、寸法を指定して加工を工場にお願いしましたが、板と板のジョイント部分がどうしても面取りになってしまうという、面取りとは板の角を少しだけ斜めに削ることです。面取り無しにこだわった私は、化粧板の加工を自分ですることを決めました。
左の写真が化粧板を加工した断面です。この形状の加工を本実(ほんざね)加工といい、雄と雌があります。画像の左側の突起ある方が雄、溝のある方が雌です。この雄に雌をはめ込みながら取付行きます。はじめに雌を加工し、そのあと雄の加工をしました。本実加工専用の道具があるわけもなく、自分で持っている道具で工夫しながら全部で60枚を加工しました。結構大変でした。
ジャッキアップして
土台と柱、壁の化粧板を取替るので、梁、桁より上の屋根はそのままの状態でジャッキアップしました。瓦を載せた状態だったのでかなりひやひやしました。あげる高さは、柱を立てたあと柱の上部より柱の溝を滑らしながら化粧板をはめ込んでい行くので、20㎝程度あげました。
あげるのもひやひやでしたが、建てた柱の位置に合わせて屋根を降ろしていくのはもっと大変でした。真っ直ぐ上にあげたつもりでもなぜか位置が合わず、ジャッキで調整しながら、屋根を引っ張りながら位置を合わせて無事定位置に降ろすことができました。
無垢の木の美しさを改めて実感
材料はすべて桧を使いました。桧は赤身と白太のコンストラクションに加え艶もあり化粧板の面取りをしなかったこともあいまってとても綺麗に仕上がりました。自治会長さんも綺麗になったととても喜んで頂きました。
神社の社の傍らにある小さな祠ですが、綺麗に改修されたことで地元に方々に見直され、愛される存在となれば嬉しいです。
そして明日は子供神輿が行われる日です。
何とか間に合って良かったです。
よろしかったら見てみて下さい。
会社名 :株式会社アトリエLiving Craft
住所 :〒514-1122 三重県津市川方町501-2
代表 :代表取締役 扇野 正実
ホームページ :https://atelier-lc.net/
営業時間 :8:00~19:00(日曜定休)
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