木造住宅の耐震補強ってどんなことをするの?津市B様耐震補強工事を実例で紹介
木造住宅の耐震補強とは
現在、施されている木造住宅の地震対策として、制震、免振そして耐震があります。それぞれの特長を簡単に説明すると次のようになります。
・制震:地震エネルギーを吸収することで揺れを軽減します。
・免振:地震エネルギーを建物(基礎)に伝わらないよう遮断します。
・耐震:地震エネルギーに対し柱や梁等主要構造で耐える構造にする。
木造住宅の耐震補強は柱と横架材(梁・土台など)で囲まれた壁を地震に耐えてくれるよう、筋かいや構造用合板を使い補強していきます。また、補強した壁には大きな地震力が掛かるので、柱と横架材が離れてしまわないよう金物で補強します。
では、どの様な物なのかを実例で見ていきましょう。
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柱と横架材(梁・土台など)で囲まれた壁を補強する
補強を施す壁は、家の中にあるどの壁でも良いわけではありません。耐震補強した壁には大きな地震力が掛かるので基礎があり、主要構造である柱と土台・梁で囲われている壁でないと地震に耐えてくれる壁とはなりません。
この主要構造に囲まれた壁に筋かいを取り付けたり、構造用合板を張り付けることで補強します。
画像で紹介します。
左の画像のは、筋かいと構造用合板張りを併用した補強です。
斜めに取り付けてあるのが筋かいです。柱と梁と筋かいで三角形を作ることで横から力(水平力)に強くなります。
筋かいを取り付け時には、地震時に大きな力が掛かった時に筋かいが外れないよう専用の筋かい金物を上下に取付ます。
縦に横に取り付けた部材が、構造用合板を張るための下地となります。これを取り付ける釘の種類と本数が決まっています。
この画像の上部に「つなぎ梁」が取り付いていますが、これは補強計画された壁に梁が無い場合や小屋梁が丸太の場合、筋かいや構造用合板を取り付けることが出来ない場合は、このつなぎ張りを取り付けます。
左は構造用合板を張り付けた画像です。
構造用合板には、JAS(日本農林規格)でF☆☆☆☆の針葉樹合板9㎜を使用しています。
釘の種類やピッチにも規定があります。
柱と横架材を緊結する「いろは・・・」の補強金物
筋かいや構造用合板で壁を耐震補強しても、地震の揺れや突き上げによって柱と横架材(梁・土台)が外れてしまっては元も子もありません。ですから補強する柱には、これらを緊結する金物を取り付けます。
壁の強さによって取り付ける金物が異なり、壁の耐力が強いほどより頑丈に緊結します。この金物強さを「い・ろ・は・・・」で表し順に段々と強い金物となります。
画像で紹介します。
左の画像1枚目から3枚までの金物は「は」に対応する金物です。弊社では、「い・ろ・は」に使用しています。
左の画像の左下にあるアンカーボルトは、基礎と土台を緊結するために取付ます。そうする事で基礎と補強壁が一体化します。
左の画像の金物は「へ」に対応する金物です。弊社では「に・ほ・へ」に使用しています。
左の画像の金物は「ホールダウン」です。弊社では「と・ち」に使用しています。
補強金物はこれが全てではありません。使いかってにより形状の違うものや、各金物メーカーで独自のものがあります。
水平構面の補強
「水平構面」あまり聞きなれない言葉ですが、段ボール箱をイメージしてください。その側面が壁とし、底は床、蓋の部分を天井と考えます。段ボール箱を組み立てる時、底と蓋の部分をしっかりとガムテープで接着するとしっかりとしますが、それらの部分を接着をしなければ、ふにゃふにゃの段ボール箱になってしまいます。水平構面とはこの段ボール箱の底と蓋の部分を言います。すなわち床と天井の部分で、この部分も補強が大事となってきます。
木造の耐震補強は、段ボール箱と同じ六面体で補強を考えます。壁四面がしっかりしても、壁を繋ぐ床や天井、いわゆる水平構面もしっかりしていないといけないどういう言事です。
画像で紹介します。
梁と梁の交わる四角の角の部分に火打を取り付けることで水平構面の揺れを抑えます。
次に壁の補強と同様に構造用合板を打ち付けることで水平構面の補強をしました。
左の画像は、構造用合板を張るための下地です。梁がない場合はつなぎ梁を入れます。
左の画像は、構造用合板を打ち付けたものです。
構造用合板には、JAS(日本農林規格)でF☆☆☆☆の針葉樹合板12㎜を使用しています。
釘の種類やピッチにも規定があります。
基礎の補強
基礎は家の重さを地盤に伝えるために重要です。ひび割れなど劣化があると地震時に基礎が崩壊してしまうと支えを無くした家は傾き、壊れてしまいます。
そうならないために、ひび割れ部分の基礎補強や補強計画の壁に基礎が無かった場合は、基礎工事が必要となってきます。
画像で紹介します。
左の画像は、既存の基礎にひび割れが発生していたため、基礎の補強を行いました。
既存の基礎に樹脂アンカーにより差し筋をして新設の鉄筋コンクリート造の基礎と一体化しました。
既存の基礎に抱き合わせて、基礎が完了しました。
命を守るための耐震補強工事
紹介した補強工法は一部で、その他色んな工法がありますが少しはイメージして頂けたでしょうか。
耐震補強工事は、費用・工期共にかさむ工事ですが、いつ起こるかわからない災害に備えて、命を守るために重要であると思います。
会社名 :株式会社アトリエLiving Craft
住所 :〒514-1122 三重県津市川方町501-2
代表 :代表取締役 扇野 正実
ホームページ :https://atelier-lc.net/
営業時間 :8:00~19:00(日曜定休)
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