三重県津市O様『高齢のご夫婦が住むお家の耐震補強工事』
作業・施工内容
耐震補強工事をするという意志が固かった!
初めてO様にお会いしたのは、たたき台の補強設計に基づき概算の見積もりをお持ちした時でした。
建築資材の高騰が騒がれている真っ只中,3か月~半年単位で単価が上昇している状況での概算見積は自分でも驚くほど高額となりました。
にもかかわらず、耐震補強工事をやることがその場で決まりました。
O様の安全な家に住みたいという決意を感じました。
工事の概要
建物階数:2階建
建物構造:木造住宅
1階床面積:90.14㎡
2階床面積:53.54㎡
延床面積:143.68㎡
1階耐震補強壁数:33ヶ所
2階耐震補強壁数:12ヶ所
補強基礎・新規基礎:有
※補助金有
リフォームは極力行わないという要望との葛藤
この要望に関しては工事金額を圧縮するためだと感じました。
耐震補強を行う最低限度の復旧(リフォーム)をご希望されましたが、耐震補強を行う壁は、一部屋だけを集中的に行えばその部屋だけの復旧(リフォーム)だけでよいのですが、耐力のバランスが悪くなってしまっては、建物全体の耐震耐力をかえって弱めてしまう場合があります。ですから建物全体を考えて、補強工事を進める必要があるのです。このことにより一つずつの居室を考えると部分的に耐震補強をすることが多く、補強するために壁、天井、床を撤去して復旧を行うのですが、これを部分的に行うと新旧の壁、天井、床が混在し、つぎはぎのパッチワークのような部屋になってしまします。結果的に補強をしない壁、天井、床もリフォームせざるを得ないのです。
このことについて見積の段階でO様に説明し、部屋全体をリフォームする場所と部分的に復旧する場所をO様と予め打ち合わせを行いました。
住みながらの工事に加えて・・・
これまでもお施主様が住みながら耐震補強工事を行うことは多々あったので、O様と着工前にどの部屋をどのくらいの時期に工事を行うかまた、家具や荷物の移動と部屋の復旧が終わり使用できる時期を打ち合わせをして問題なく進めるはずでした。
この時、O様より思わぬ要望がありました。それは、奥様が大変音に敏感であるため、デイサービスやショートステイに行っている間に作業を行って欲しいということでした。そのため火曜日、日曜日は工事を休むこと、そして作業時間は、デイサービスの日は9時30分~4時30分、ショートステイに行かれる日は9時30分~5時まで泊りの日は8時~5時まで、帰って来られる日は8時~4時30分の時間に作業を行ってほしいとの要望でした。
今回の耐震補強工事は補助金を申請した工事で市役所への完了報告日が決まっているので、期日に間に合うか少し不安でした。それは、耐震補強工事が想定(補強計画図)外のことが起きることは珍しくないからです。この現場でも一番最初に取り掛かった2階の撤去工事を始めたすぐに補強計画壁に柱や梁がないことや柱の位置に相違があることが判明、補強計画を大きく変更することとなり、工程が計画よりずれ込んでしまいました。このことは、1階についても同じで各所で補強計画を変更しながら工事は進み、当初10日間ほど余裕を見ていた工程も食い尽くされてしまいました。これを立て直すために、各部屋毎に補強工事をしかかる直前に復旧工事完了までの日程を決めその日程からはずらすことなく工事を進めて行ったおかげでギリギリで津市役所に完了報告をすることができました。家具の移動も含めての日程だったので正直結構精神的にきつかったです。
なによりO様のご協力のおかげで
工事の着工時より、資材置場の提供や各部屋の小物などの移動等は率先して行って頂いたいり、また工事が円滑に進行できるようにとO様からも色々提案をして頂いたおかげで工事がやりやすく進めることができました。本当に助けていただき、ありがとうございました。
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